バイクの走行メーター改ざんって本当?
なぜ、走行距離が改ざんされるのか?
そもそも論ですが、走行距離を偽ってバイクを販売するのは違法です。
場合によっては詐欺に当たります。
また、走行距離を偽ってインターネットや雑誌に広告を出すと景品表示法違反になります。
悪い事だと解っていて、なぜ改ざんが行われるのでしょうか?
理由は「単純に儲かる」からです。
走行距離が多いバイクは買取でも業者間オークションでも安く仕入れが出来ます。
仕入れ値より高く売れば売れるほど利潤は大きくなります。
こういったバイクを入念に整備して売るお店もあります。
しかし、こういった努力は評価されにくく、すぐには売上に結びつきません。
また整備の人件費や部品代などの経費も必要になります。
メーターを巻き戻して走行距離を偽れば、中身は変わっていなくても高く売れます。
悪い事、間違った事と知りながら、少ないコストで利益が上がるために手を染めてしまう業者が存在するのです。
走行距離改ざんはデジタルメーターでも可能
走行距離改ざんはアナログメーターだけではなく、デジタルメーターでも可能です。
デジタルメーターはバイクのメーター内の電子部品(RAM)に書き込まれています。
PCからそのRAMを書き換えればいくらでも改ざん出来てしまいます。
専用のソフトや走行距離メーターの書き換えをする業者も存在します。
実際には不正のために書き換えをするというより、トラブルや故障で狂ってしまった数値を修正するという名目でビジネスが成り立っています。もちろん狂う事など稀なはずです。
業者も改ざんと知りながら知らないフリをしています。かなりグレーなビジネスと言えるでしょう。
走行距離改ざんはメーター巻き戻しだけではありません
走行距離の改ざんは走行距離メーターを巻き戻しだけではありません。
メーターそのものを交換して改ざんする場合もあります。
人気車種なら中古メーターも数多く存在しますし、走行距離の少ないメーターを入手して交換するだけならメーターを分解した跡も残りませんので解りにくくなります。
メーターが交換されている場合は走行距離の改ざんだけでなく、カスタマイズ目的の交換である場合もあります。
また事故により破損したメーターを交換した可能性もありますので要注意です。
メーターを交換した場合も本来は交換前の距離数を提示するべきか、「走行距離不明」として販売しないと「詐欺」に問われる可能性があります。
販売店も気がついていないケースも多い
メーター改ざんはなにも販売店が行うとは限りません。
中古バイクは
- ユーザーからの買取
- 業者間のオークション
が主な仕入れルートです。
個人ユーザーがメーター改ざんをすることはかなりレアケースだと言えますが、オークション出品前に業者が改ざんするケースも少なくありません。
その場合は販売店も気付かずに仕入れて、そのまま販売しているとうケースもあるでしょう。
現在はオークションに出品されたバイクは車体番号と過去の出品歴を照会し、メーターの改ざんをチェックする仕組みが採用されているため、メーター改ざんは大幅に減っていると言われています。しかしオークションに出品歴がない場合は機能しません。またメーター改ざんを知りながら顧客に隠して販売する業者も存在しますので全く無いとは言えないのが実情です。
走行距離の改ざんを見抜くには
メンテナンス記録を確認する
バイクの走行距離改ざんを見抜くには「記録簿」「オイル交換歴」「過去の車検証」などメンテナンスの記録を見るのが一番確実です。
整備した記録簿やオイル交換した記録が残っていれば必ず日付と走行距離が記録されています。そのバイクの歴史を確認することが出来ます。
整備記録がしっかりと残っていればメーター改ざんは心配無用でしょう。
もっともメーターを改ざんする業者は真っ先にメンテナンス記録は処分しますのでまず残っていません。
車検証は直近ではなく必ず過去のものと比較が必要です。
リッターバイクや輸入車など高額なバイクの場合、メーターを改ざん後、車検を受け直して車検証を更新してしまうケースもありますので直近の車検証だけでは100%信頼が出来ません。
もっともメンテナンス歴が確認出来れば、多少走っていても安心して乗れます。
走行距離だけにこだわる必要もありません。
信頼出来るバイク店で購入する
中古バイク全般、メンテナンス記録が残っているのは珍しいケースと言えます。
そのため記録が残っているバイクと出会う事は滅多にありません。
ではどうするかといいますと信頼出来るバイク店で購入するのが一番賢い方法です。
その中古バイクはあなたが選ぶ前に、販売するお店やスタッフが選んで仕入れたバイクです。
整備に強いお店や目利きの出来るお店は改ざんされたバイクや事故車両を仕入れる事はありませんし、仕入れたとしてもお客を騙して売るような事はしません。
信用に関わるからです。
しかし、整備も満足に出来ないお店や目利きが出来ないお店の場合は改ざんや事故車が多く並んでいるという事もあるワケです。そんな中からバイクを選んでも良い買物が出来るはずもありません。
私たち中古バイクユーザーはまずお店を選ぶという事が大切なポイントであると言えます。